【要介護5と在宅介護】6つの視点

 はじめに

 在宅介護というものは、やってみて初めて分かる世界です。制度の説明書にも、専門家の講義にも書かれていないことが、毎日の生活の中で次々と立ち上がってきます。私も、妻の介護を通して、「これは単なる家事や世話ではなく、ひとつの“生活の再構築”なのだ」と気づかされました。

 在宅介護は、医学だけでも、気力だけでも回りません。家のつくり、家計のやりくり、家族の関係、そして介護者自身の心の持ちよう。それらが絡み合いながら、ようやく一日が形になっていきます。

 このブログでは、私が実際に経験してきた在宅介護の“骨組み”をまとめています。立派な理論ではありませんが、現場で身体を使ってきた者として、「これだけは押さえておくと道が開ける」という六つの視点を整理しました。

1.設計

 在宅介護は、行き当たりばったりでは回らない。あらかじめ全体の流れを組み立て、「次に何を目指すのか」を見通しておくことが大切になる。

●リハビリ病棟の段階

 次のステップを見据え、自主リハが許される老健を選ぶことが重要だった。

●老健での準備

 在宅に戻った時に必要となる力を意識し、腕の引っ張りっこを自主リハの中心に据えた。これは、立位保持や移乗の基礎になる。

●在宅開始時に整えたこと

 在宅生活を始める時点で、次の5つを柱にした。

・ソフト食から普通食へ

・ベッド排泄からトイレ排泄へ

・車椅子移動から掴まり歩行へ

・トイレ排泄時の「ついでリハ」の導入

・第二次訓練期の設定(内容は後から決めればよい)

●PDCAの習慣

 在宅介護は、毎日の小さな改善の積み重ね。PC(AI)を活用し、計画 →実践→点検→修正のサイクル

2.調理力

 介護の時間を確保するためには、調理の効率化が欠かせない。調理に追われると、心身ともに疲れが溜まり、介護そのものが苦しくなる。

 マルチフライヤーの使い方や献立の工夫など、AIに相談すれば負担は大きく減る。PCは、在宅介護の“もう一人のスタッフ”だと思っている。

3.家計運営力

 家計の不安は、介護のストレスと結びつくと心を追い詰める原因になる。

●固定費の見直し

 通信費は6千円以下へ。携帯のサービスを整理すれば、月880円も可能。

●電気代の削減

 室温変化の原因を断つことで、1万円以上の節約につながった。

●高額出費の代替

 犬の療養食と一般フードを半々にするなど、工夫次第で負担は軽くなる。家計の安定は、介護の安定につながる。

4.組織力

 家族を「手伝い要員」として見るのではなく、小さな組織として機能させることが大切だと感じている。

・役割を明確にし、

・情報を共有し、

・同じ方向を向く。

 これだけで、介護の負担は大きく変わる。

5.リフォーム力(動線の見直し)

 在宅介護は、動線がすべてと言ってもいい。動線が悪いと、どれだけ努力しても成果が出にくい。手すりの位置、家具の配置、移動のしやすさ、トイレまでの距離。これらを一つずつ整えることで、介護は驚くほど楽になる。

6.精神力・人間力

 最後にものを言うのは、介護する側・される側の“心の力”だと思う。


・小さな成功を喜ぶ

・無理をしない

・できない日は責めない

・生活の中にリハビリを溶け込ませる


 在宅介護は、お互いの尊厳を守りながら続けていく営みだ。

【要介護5と在宅介護】6つの視点

 はじめに   在宅介護というものは、やってみて初めて分かる世界です。 制度の説明書にも、専門家の講義にも書かれていないことが、 毎日の生活の中で次々と立ち上がってきます。 私も、妻の介護を通して、「これは単なる家事や世話ではなく、ひとつの“生活の再構築”なのだ」と気づかされまし...