なぜ、この文章を書くのか。それは、中国が好きか嫌いか、あるいは一党支配だから付き合わない、といった感情的な判断とは別に、隣国の大国がどのような構造を持ち、どれほど大きな可能性を秘めているのかを、まずは冷静に理解すべきだと考えるからである。感情ではなく、構造を知ること。そこから初めて、理性的な対応が可能になる。そのために、ここでは中国の発展を支える六つの要因を取り上げ、未来構造を読み解いていく。
はじめに
中国は、紀元0年以後の1500年間、世界一の生産力を背景に高度な文明を発達させて世界をリードしてきた。しかし、清朝解体後の500年は、まさに眠れる獅子であった。中国は、その眠りから第二次世界大戦を契機に目覚めた。そして、今や、米国と肩を並べるまでに発展した。そして、中国は、さらなる飛躍的な発展をする可能性を秘めている。
中国のこれからの発展を後押しする要因は、次の6つである。
1,政府の一貫した政策と強力なバックアップ。
国家が“巨大な統合エンジン”として機能。
2,中国政府が獲得した歴史上稀に見る政治的柔軟性。
旧支配層ネットワークの破壊(1949)。
新支配層ネットワークの破壊(1966–76)。
3,中国2000年の歴史及び文化大革命によるシャッフル効果。
生得的と思える程のIQの高さ。
4,日本と米国両方の精神・文化を受け入れる文化。
吸収 → 再構成 → 増幅 の3段階をこなせる文明は稀。
5,国土の広さによる発展の不均衡性の広がり。
・不均衡は、平準化する。
・平準化による持続的な発展。
6,国土の東西南北のそれぞれの役割の相乗効果。
東ー海路の出入り口。
西ー陸路の出入り口。
南ー北の対抗軸
北ー南の対抗軸
この6つの要因を構造的に整理すると次のようである。
●上位OS
(1)国家の一貫性
(2)国家の柔軟性
(3)歴史+シャッフル効果
●吸収・再構成エンジン
(4)米国+日本の精神を取り込む国民性
●成長の空間構造
(5)不均衡の増幅モデル
(6)多軸地政学モデル
この3層構造が揃う国は他にない。
次の各章では、6つの要素についての詳細な分析を行う。
