2023/04/12

発言の自由と3つのルール

 


はじめに

 発言の自由とは、政策討論集会やSNS及び出版などによって意見を公表する自由を含みます。また、党の諸原則を守る限りにおいて、党の方針を批判したり、あるいは方針と矛盾した意見を表明することも自由であるということです。また、そういう意見を掲げての煽動も自由ということです。

 発言の自由が、批判及び煽動の自由を含むのは、意見と批判、批判と煽動の境界が実に曖昧ではっきりしないからです。「批判する自由はあっても、煽動する自由はない」と発言の自由に予め枠を嵌めることは、党が党員の発言の自由を限りなく狭く解釈することに繋がります。我が党は、発言の自由に関して、そういう狭量な態度を取ることはしません。しかし、だからといって「ならば、何でも言ってやろう」が許される訳ではありません。そういった誤った傾向を生まない為に、党規約第3条第5項の運用規則に関して少し説明しておきます。

無用なトラブルを回避するためのルール

 私から提案するのは、政策討論集会やSNS及び出版などで意見を公表する際に守るべき3つのルールです。これは、党が定める規約ではありません。お互いが、無用なトラブルを回避するための注意点を示した運用規則とも言うべきものです。

  1. 自らの主張を道理に基づいて発信する。
  2. 党員としての原則的な誤りは犯さない。
  3. 関係する組織と人々に十分に配慮する。

 ルール1は、自らの主張に寄与する発信を行うと言う点で当たり前のことです。道理に基づいてとは、《筋が通った意見》ということではなくて、《党員としての品性・品格をわきまえて》ということです。

 ルール2は、どんな発言においても、党員として守るべき諸原則を逸脱することは許されないということです。例えば、選挙期間中に党の公約と矛盾した主張を発信することは、厳しく自重しなければなりません。出版の場合は、このルールの遵守は必ずしも求められません。選挙期間中に党の公約と矛盾したパンフレットを発行し配布するということは、当然に認められません。しかし、綱領や大会決定を批判的に検討した著書を発行することは時を選ばずに許されます。

 ルール3は、配慮の大切さを述べたものです。ルール1と2を守ったら、どんな発信も許されるかというと、そうではありません。我々が意見を表明する場合には、《関係する組織や人々の人格(組織人格と個人人格)に十分に配慮しているか》をチェックすることが求められます。そうすることで、我々は、意見の違いを乗り越えて折り合いを付けることができます。

成らぬ堪忍するが堪忍

 発言の自由と3つのルールは、規約そのものではありません。それは、文字通り《我々の言動を律する為の約束事》です。ですから、これらのルールを破っても、その党員が規約違反に問われることはありません。このことは、ここではっきりと表明しておきます。

 我々もまた一人の人間です。常に、冷静な心でパソコンのキーボードに向かっている訳ではありません。時には、ヒートアップした状態で意図しないルール違反をすることもあります。そのような時には、「ならぬ堪忍するが堪忍」という対応をするのが我々の姿勢です。でも、「仏の顔も三度撫ずれば腹を立つ」とも言われています。ルール違反を度々と繰り返さないようにしっかりと己を律しましょう。

むすび

 私は、規約の報告で、規約第3条第5項の意義について次のように述べています。

(規約第3条第5項)党員には、党の諸問題を討論する集団をつくり、参加する自由がある。

 党規約第3条第5項は、党綱領の批判的検討が、党指導部の専権事項ではないことを全党に示しています。私は、党員諸氏が様々な討議・討論グループを結成し、大いに議論を尽くすことを期待しています。そのことが、我が党の綱領が、全党の英知を結集して更に変化・発展していく原動力になると信じています。

 党員諸氏の英知は、様々な媒体を通じて発信されることで広く共有されます。その共有をスムーズにする潤滑油が、本日紹介した《意見を公表する際に守るべき3つのルール》です。このルールは、我が党が《多様性を認め合い、違いに寛容な党として生まれ変わる》ことを必ずや促進します。党員諸氏におかれましては、「ならぬ堪忍するが堪忍」があちこちで発生しないように、十分に本日紹介したルールを念頭に置いて意見を表明されることを期待しています。


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=== 推敲と校正を継続中。本稿は、適宜に訂正されます ===

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